キハ65系
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◆キハ65
 キハ65 1〜86
501〜518(寒地向け)
3001(旧キハ655508、急行「かすが」用)
5001, 5002(旧キハ65500番代、快速「みえ」用)
5508(旧キハ65500番代、急行「かすが」用)
 勾配線区におけるキハ58系急行列車の冷房化促進のために製造された冷房用電源を備えた高出力形気動車で、1969〜1972(昭和44〜47)年に一般形86両、寒地向け18両、合計104両製造された。
 キハ65 1〜86は一般形として製造されたグループで、1969〜1972(昭和44〜47)年に新潟鉄工所、富士重工業、日本車輌で86両製造された。車内はキハ58系のシートピッチを拡大したクロスシートとなっているが(定員84名)、客窓は試作車キハ90キハ91形と同様に上段下降・下段上昇式のユニットサッシ窓で 出入口扉は700mm幅の2枚折戸となっており特徴的な外観となっている。冷房装置はAU13Aが7台搭載されており、冷房用電源装置は自車を含めて3両まで給電可能な発電機DM83A(機関は4VK)が搭載されている。駆動用機関はキハ181系と同様の500PS級機関DML30HSD(500PS/1600rpm)を1台搭載し、台車はDT39(TR218)を使用している(キハ65 80〜86はDT39A〈TR218A〉を使用)。主に松山、熊本などの四国、九州地区に配置され勾配線区の急行列車で使用されたが、現在は20両がJR東海、JR四国、JR九州に在籍するだけで、急行列車は熊本〜人吉間の「くまがわ」のみとなっている。写真のキハ65 68はJR四国からJR西日本へ譲渡された車両である。

 キハ65 501〜518は寒地向けとして製造されたグループで、1969〜1972(昭和44〜47)年に富士重工業、日本車輌で18両製造された。車体構造はキハ65形0番代を基本としているが、暖房の強化などが施されている。松本、長野に配置され急行「アルプス」などで使用され、その後は主に名古屋地区の急行などで使用されたが、現在は2両が長崎に在籍するのみとなっている。

 キハ65 3001は JR東海において急行「かすが」用に改造したグループである。改造では客室座席を新幹線の回転リクライニングシート(廃車発生品)に交換するなどのアコモ改良が施さている(→定員64名)。当初は元番号に5000を加えたキハ65 5508として1989(平成元)年に浜松工で改造されたが、快速「みえ」用のキハ65形5000番代が登場したため1991(平成3)年にキハ65 3001に改番された。名古屋にキハ58形3000番代とともに配置され急行「かすが」で使用されたが、同列車のキハ75系化により1999(平成11)年に運用を離脱している。

 キハ65 5001, 5002は JR東海において快速「みえ」のスピードアップ用として改造したグループで、1991(平成3)年に名古屋工で改造された。改造では 客室座席を新幹線の回転リクライニングシート(廃車発生品)に交換するなどのアコモ改良が施されたほか(定員64名)、100km/h対応として台車枠をペデスタル式に交換し(C-DT39C/C-TR218C)、ブレーキ装置の変更などが行われた。名古屋にキハ58形5000・5100番代とともに配置され快速「みえ」で使用されたが、後継車キハ75系が増備されたため1999(平成11)年までに運用を離脱し、現在は1両が波動輸送用に在籍するのみとなっている。

キハ65 68
キハ65 68(米トリ
鳥取鉄道部、1992年 -月--日

 <車両履歴>
  キハ65 68 (1971年/新製)
    
   −−− (1989年/譲渡)
    ↓
   −−− (1998年/廃車)
キハ65 503
キハ65 503(海ナコ
名古屋駅、1990年 2月 7日

 <車両履歴>
  キハ65 503(1969年/新製)
    
   −−− (1995年/廃車)



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◆キハ90
 キハ90 1(先行試作車)
 キハ91形キハ91 1)とともに登場した高出力形気動車の試作車で、1966(昭和41)年に新潟鉄工所で1両製造された。同時に登場したキハ90形と同様に車体断面が絞られた形状になっており、屋根上の放熱器(ラジエーター)を取り付け、客窓はユニットサッシ窓となっている。機関は300PS(1600rpm)のDMF15HZAで、台車はDT35(TR205)を使用している。当初は千葉に配置され房総西線などで機関試験等が行われたが、量産試作車(キハ91 2〜8キサロ90 1〜3)の登場とともに1967(昭和42)年に名古屋へ転属して名古屋〜長野間の急行「しなの」などで使用されたが、1971(昭和46)年にキハ91形キハ91 9に改造されたため形式消滅した。



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◆キハ91
 キハ91 1(先行試作車)
2〜8(量産試作車)
9(旧キハ901、量産試作改造車)
 キハ90形とともに製造された高出力形気動車の試作車で、1966〜1967(昭和41〜42)年に8両製造された。その後、1971(昭和46)年にキハ90形から1両がキハ91形に改造編入されている。
 キハ91 1キハ90形とともに先行試作車として新製されたグループで、1966(昭和41)年に富士重工業で1両製造された。車体形状はキハ90形と同様に屋根上の放熱器(ラジエーター)を取り付け、客窓はユニットサッシ窓となっているが、機関はキハ90形より高出力のDML30HSA(500PS/1600rpm)を1台搭載している。出入扉はステンレス無塗装の3枚折戸となっており、台車はDT36(TR205)を使用している。当初は千葉に配置され房総西線などで機関試験等が行われたが、量産試作車(キハ91 2〜8キサロ90 1〜3)の登場とともに1967(昭和42)年に名古屋へ転属して急行「しなの」「きそ」「のりくら」などで使用されたが、1978(昭和53)年に廃車となった。

 キハ91 2〜8は量産試作車として新製されたグループで、1967(昭和42)年に新潟鉄工所、富士重工業、日本車輌で7両製造された。車体形状がコストダウンの関係でキハ58系モデルチェンジ車(キハ58形1100番代など)と同形の絞りがない曲面ガラスに変更され、前面には従来車との混結用の制御装置が搭載されている。屋根上の放熱器(ラジエーター)の冷却能力を増大させるための補助冷風機を取り付けており、キハ91 8は屋根上に冷房装置AU13Aが7台搭載され、冷房用電源装置として床下に発電機DM72A(機関は4DQ11P)が搭載されている。機関は キハ91 1のDML30HSAを改良したDML30HSB(500PS/1600rpm)を1台搭載し、台車はDT36A(TR205A)を使用している。名古屋に配置され キサロ90形とともに急行「しなの」「きそ」「のりくら」などで使用されたが、1978(昭和53)年に全車廃車となった。

 キハ91 9は試作車キハ90形の機関を換装して編入したグループで、1971(昭和46)年に名古屋工で1両改造された。改造ではキハ90系列の機関を統一するために 500PS(1600rpm)のDML30HSEAに換装したが、前面窓の形状や塗装などは種車のままとなっている。名古屋に配置され急行「きそ」「のりくら」などで使用されたが、1978(昭和53)年に廃車となった。



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◆キサロ90
 キサロ90 1〜3(量産試作車)
 キハ91形量産試作車とともに製造された1等車(後のグリーン車)で、1967(昭和42)年に日本車輌、新潟鉄工所で3両製造された。車体構造はキロ28形に準じたものになっているが、連結するキハ91形の出力(500PS)に余裕があるため付随車となっている。出入扉はキハ91形と同様に3枚折戸となっており、便所・洗面所は車端部に配置され、洗面所窓は上段下降・下段上昇式の小形ユニット窓となっている。冷房装置は屋根上にAU13Aが6台搭載され、冷房用電源装置として床下に発電機DM72A(機関は4DQ11P)が搭載されており、台車はキハ91形の従台車と同じTR205Aを使用している。名古屋に配置され キハ91形とともに急行「しなの」「きそ」「のりくら」などで使用されたが、1978(昭和53)年に全車廃車となり形式消滅した。


《参考文献》
 ・鉄道ピクトリアル: ‘キハ91引退’1977-1(No.329) 鉄道図書刊行会
「新車年鑑 1993年版」1993-10 増刊(No.582)
「新車年鑑 2000年版」2000-10 増刊(No.692)
「特集 キハ183・185系」1994-12(No.599)
 ・鉄道ファン: ‘新車ガイド1:キハ185系デビュー’1986-12(No.308) 交友社
 ・RAILFAN: ‘キハ185系の活躍’2000-7(No.572) 鉄道友の会
 ・「国鉄車両形式集2 気動車」1987 山と渓谷社
 ・「キハ58と仲間たち」1995 ネコ・パブリッシング
 ・「国鉄特急編成史 電車・気動車編」2000 弘済出版社
 ・「JR気動車客車編成表」各年版 ジェー・アール・アール
 ・「JR全車輌ハンドブック」各年版 ネコ・パブリッシング

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