1996(平成8)年3月の山陰本線薗部~福知山間電化開業に際し113系2両編成を投入するためにモハ112形6000番代(モハ112形0番代の高速化改造・ブレーキてこ比変更車)を先頭車化改造した制御電動車(Mc')で、1995(平成7)年に吹田、鷹取、後藤工で6両が改造された。改造では種車の後位部分にクハ111形からの廃車発生品の先頭部(乗務員室)を取り付け、ワンマン運転時の業務を考慮して乗務員室(前位)側の出入扉を乗務員室方に640mm移設し、前位出入扉横に2種類のHゴム固定窓が列んだ配置としている。客室内温度の維持向上のために出入扉を半自動化して、扉の左側に開閉スイッチを設置し、片側2か所に乗降口表示器を設置している(ワンマン運転設備は準備工事にて落成)。3位車端部に便所と水タンクを設置し、113系4両編成などとの連解結作業の省力化のために自動解結装置を取り付けている。塗装は湘南色を基本としているが、ワンマン車両判別のために黄かん色と緑2号の間にクリーム色の細帯を入れている。クモハ112-304, 309の2両は霜取り用パンタグラフを前位側に設置している。落成時は300番代であったが(301, 306, 308は欠番)、1996(平成8)年に高速化改造を施工して5300番代に改番している。ユニットを組むクモハ113形300(5300)番代とともに福知山に配置され、山陰本線京都~城崎(2005年に城崎温泉へ改称)間、舞鶴線、北近畿タンゴ鉄道宮福線で使用されたが、現在は山陰本線綾部~城崎温泉間、舞鶴線で使用されている。クモハ112-5302,5304の2両は、1999, 2000(平成11, 12)年に体質改善40Nリニューアル工事を施工している。 |