試験車スヤ32形(旧スヤ51形)およびオハフ33形を改造した保健車で、1962(昭和36)年と1977(昭和52)年に五稜郭工、旭川車両センターで3両改造された。スヤ32 1は旧スハ32600形(後のスハ32→オイ31→オイネ31→スヤ51)で二重屋根(ダブルルーフ)車、スヤ32 2は旧スハ32800形(後のスハ32→スイネ34→スヤ34→スヤ51)で丸屋根形となっているが、2両とも1950(昭和25)年に密閉式展望室付きの特別職用車(インスペクションカー)スヤ51形に改造されているため、前位側妻面の展望窓が上下に大きい特徴的な外観となっている。オハフ33形改造のスヤ32 3はアルミサッシ付きの丸屋根形となっている。室内には前位から順に検査処置室、診察室、寝室、暗室、レントゲン室、便所が配置されており(スヤ32 1の場合)、北海道内の職員巡回診療や保健検査などに使用された。初期に改造された2両(スヤ32 1, 2)が1977(昭和52)年までに廃車されて一旦形式消滅し、同年にオハフ33形から改造されてスヤ32形は復活したが、JR移行直前の1986(昭和61)年にスヤ32 3が廃車されたため再度形式消滅した。
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