キハ181系
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11. 2.27 改訂

◆キハ180
 キハ180- 1〜79
10, 14, 17, 18, 23, 24(車掌室付)
 キハ181形0番代キロ180形0番代キサシ180形とともに特急「しなの」用として登場した特急形気動車の中間座席車で、1968〜1972(昭和43〜47)年に富士重工業、新潟鉄工所、日本車輌で79両製造された。車体構造はキハ80形を基本としており、テーブル付きの回転クロスシートが並んだ配置となっている(定員76名)が、キハ181-10,14,17,18,23,24はモノクラス編成用に車掌室を設置している(定員68名)。屋根上には放熱器(ラジエーター)を取り付けており、冷房装置 AU13Sが6台搭載されている。駆動用機関はキハ91形で使用されたDML30HSBを改良したDML30HSE(500PS/1600rpm)を1台搭載しており、台車は1次車(キハ180-1〜6)はDT36B(TR205B)を使用し(後にDT36C〈TR205D〉に変更)、2次車(キハ180-7〜79)はDT40(TR219)を使用している(後にDT40B〈TR219D〉に変更)。当初、名古屋、尾久、米子に配置され特急「しなの」「つばさ」「やくも」などで使用され、その後は山陰、四国地区のディーゼル特急で使用された。1985〜1988(昭和60〜63)年に5両がキハ181形100番代に改造され、1988(昭和63)年に2両がキロ180形200番代に改造された。■両がJR西日本(向日町、米子)、JR四国(高松)に継承され、特急「  」「  」「  」などや波動輸送に使用されたが、特急「はまかぜ」に使用されたのを最後に2010(平成22)年に定期運用を離脱した。現在は■両(2010年9月30日現在)が保留車として在籍する。

キハ180-42
キハ180-42(米トウ
鳥取鉄道部、2001年 2月26日

 <車両履歴>
  キハ180-42 (1971年/新製)
キハ180-77
キハ180-77(京キト
長池駅、2010年 6月28日

 <車両履歴>
  キハ180-77 (1972年/新製)



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◆キハ181
 キハ181- 1〜49
101〜105(旧キハ180)
 キハ180形キロ180形0番代キサシ180形とともに特急「しなの」用として登場した特急形気動車の先頭座席車で、1968〜1972(昭和43〜47)年に49両製造された。その後、1985〜1988(昭和60〜63)年にキハ180形を先頭車化改造した5両が編入されている。
 キハ181-1〜49は キハ180形キロ180形0番代キサシ180形とともに特急「しなの」用として登場したグループで、1968〜1972(昭和43〜47)年に富士重工業、新潟鉄工所、日本車輌で49両製造された。車体構造は分割併合などの効率的な運用ができるようにキハ82形と同じ正面貫通形となっているが、全体的に角ばった印象となり、貫通路部分の連結面は自動連結器と電気連結器が併設されている。駆動用機関はキハ91形で使用されたDML30HSBを改良したDML30HSE(500PS/1600rpm)を1台搭載しており、電源発電装置は床下に電源用機関 DMF15H-Gと発電機 DM82を搭載している。運転室と客席との間にはキハ82形と同様に機械室を設けているが、軽量化と定員確保のため便所と洗面所は設置されていない(定員52名)。冷房装置はAU13Sが4台搭載されており、台車は1次車(キハ181-1〜4)はDT36B(TR205B)を使用し(後にDT36C〈TR205D〉に変更)、2次車(キハ181-5〜49)はDT40(TR219B)を使用している(後にDT40B〈TR219D〉に変更)。当初、名古屋、尾久、米子に配置され特急「しなの」「つばさ」「やくも」などで使用され、その後は山陰、四国地区のディーゼル特急で使用されたが、現在は18両が京都、後藤、下関に在籍し 特急「はまかぜ」「いそかぜ」や波動輸送などで使用されている。

 キハ181-101〜105は 1985(昭和60)年ダイヤ改正における急行列車の特急格上げに伴い不足する先頭車を補うためにキハ180形を先頭車化改造したグループで、1985〜1988(昭和60〜63)年に鷹取、幡生工または多度津車両所で5両改造された。改造では 後位側車端部を台枠ごと切断して、キハ181形0番代と同様の先頭部(新品)を接合し 機械室を新設している(キハ181形0番代に比べ機械室が狭くなっている)が、便所と洗面所が残されているため定員が48名と少なくなっている。駆動用機関の冷却方式は電動送風式に変更されたため、屋根上の放熱器(ラジエーター)は撤去された。駆動用機関は種車の500PS(1600rpm)のDML30HSEを1台搭載し、台車はDT36C(TR205D)またはDT40B(TR219D)を使用している。なお、キハ181-101の電源用機関はキハ184形900番代のグリーン車化改造(→キロ184形)により捻出されたDMF15HSA-Gを搭載している。向日町、高松に配置され 山陰、四国地区の特急「あさしお」「はまかぜ」「しおかぜ」などで使用されたが、2002(平成14)年までに全車廃車され形式消滅した。

キハ181-9
キハ181-9(米トウ
鳥取駅、2001年 2月26日

 <車両履歴>
  キハ181-9(1969年/新製)
    
   −−− (2003年/廃車)
キハ181-101
キハ181-101(大ムコ
福知山駅、1986年 8月 5日

 <車両履歴>
  キハ180-7  (1969年/新製)
    ↓
  キハ181-101 (1985年/改造)
    
   −−−   (2002年/廃車)



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◆キロ180
 キロ180- 1〜13
101〜104(車販準備室付)
151, 152(旧キロ1800番代、車販準備室付)
201, 202(旧キハ180、車販準備室付)
 北海道向けとして製造された特急形気動車の1等車(後のグリーン車)で、1979〜1990(昭和54〜平成2)年に54両製造された。
 キロ180-1〜13キハ180形キハ181形0番代キサシ180形とともに特急「しなの」用として登場した特急形気動車の中間座席車で、1968〜1972(昭和43〜47)年に富士重工業、新潟鉄工所、日本車輌で13両製造された。特急形781系電車に準じて非貫通形・高運転台となっているが、先頭形状が直線的なデザインでまとめられているため独特の外観となっている(「スラントノーズ」と呼ばれた)。車内配置は前位から順に運転室、機械室、客室(定員40名)、業務用室、出入台となっており、機械室には自動消火装置が装備され冷却装置・静油圧装置などが搭載されている。屋根上には客室部分の両端に新鮮外気導入装置が搭載され、冷房装置は集中形のAU79Xが取り付けられている。機関はDMF15HSA(220PS/1600rpm)を1台搭載し、台車はDT47(従台車:TR233)を使用している。函館に配置され 特急「おおぞら」で使用されたが、JR移行前に札幌に転属し北海道内の特急に使用され、現在も札幌に在籍し特急「オホーツク」などで使用されている。

 キロ180-101〜104は1次量産車として新製されたグループで、1981〜1983(昭和56〜58)年に新潟鉄工所、富士重工業で20両製造された。基本設計は先行試作車(キロ180-901〜904)と同じになっているが、客室の非常口・非常窓が廃止されたほか、冷房装置の改良(AU79)、新鮮外気導入装置の改良、燃料タンクの減量化など一部が変更されている。機関はDMF15HSA(220PS/1600rpm)を1台搭載し、台車は軽量化されたDT47A(TR233A)を使用している。札幌、函館に配置され 北海道内の特急で使用されたが、1993〜1994(平成5〜6)年に12両が特急「オホーツク」「スーパーとかち」用としてキロ180形200番代に改造され、現在は8両が釧路に在籍し特急「おおぞら」「とかち」で使用されている。

 キロ180-151, 152は 1985(昭和60)年ダイヤ改正における北海道内の急行列車の特急格上げに伴い不足する先頭車を補うためにキサシ180形を先頭車化改造したグループで、1984〜1985(昭和59〜60)年に苗穂工または五稜郭車両センターで4両改造された。改造では 後位側車端部(便所、洗面所と一部の客席部分)を台枠ごと切断し、キロ180形に準じた貫通式の先頭部(新品)を接合している(定員40名)。機関は220PS(1600rpm)のDMF15HSAを1台搭載し、台車はDT47A(TR233A)を使用している。函館に配置され特急「おおぞら」「北斗」などで使用され、JR移行前に札幌に転属し北海道内の特急に使用されたが、現在は釧路に在籍し特急「おおぞら」「とかち」で使用されている。

 キロ180-201, 202は特急「オホーツク」「スーパーとかち」用にキハ180形0番代を出力増強改造したグループで、1993〜1994(平成5〜6)年に苗穂工で12両改造された。改造では 機関を420PS(2000rpm)のN-DMF13HZCに、変速機をDW10からN-DW14に換装した。台車は内部部品を強化した減速機に取り替え、全体のギア比を変更して最高速120km/h対応としている。札幌に配置され特急「オホーツク」「スーパーとかち」に使用されたが、283系気動車の投入に伴い、現在は釧路、札幌に在籍し特急「おおぞら」「とかち」「オホーツク」で使用されている。

キロ180-12
キロ180-12(京キト
和田山駅、2010年11月 2日

 <車両履歴>
  キロ180-12 (1972年/新製)



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◆キロハ180
 キロハ180- 1〜4(旧キロ180100番代
5, 6(旧キロ180150番代
7, 8(旧キロ180200番代
 JR四国の特急列車の増発および短編成化に伴いキロ180形を改造した半室グリーン車で、1987〜1988(昭和62〜63)年に多度津工で8両改造された。改造では 車体中央部に仕切りと電話室を設けて後位側の半室を普通座席としており(定員:グリーン室 24名、普通室 18名)、普通座席はアコモ改良したキハ180形と同じ回転リクライニングシートとなっている。キロハ180-1〜6はキロ180-101〜104またはキロ180-151, 152からの改造車で 狭窓のままとなっているが、キロハ180-7, 8はキロ180-201, 202(旧キハ180形)からの改造車で 外観はキハ180形と同じ広窓となっている。駆動用機関は500PS(1600rpm)のDML30HSEを1台搭載し、台車はDT36C(TR205D)またはDT40B(TR219D)を使用している。高松に配置され 四国内の特急列車で使用されたが、1993(平成5)年に全車廃車され形式消滅した。

キロハ180-6
キロハ180-6(四カマ
岡山駅、1992年12月27日

 <車両履歴>
  キロ180-7  (1969年/新製)
    ↓
  キロ180-152 (1977年/改造)
    ↓
  キロハ180-6 (1987年/改造)
    
   −−−   (1993年/廃車)
キロハ180-8
キロハ180-8(四カマ
岡山駅、1992年12月27日

 <車両履歴>
  キハ180-23 (1969年/新製)
    ↓
  キロ180-201 (1986年/改造)
    ↓
  キロハ180-8 (1988年/改造)
    
   −−−   (1993年/廃車)



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◆キサシ180
 キサシ180- 1〜13
 キハ180形キハ181形0番代キロ180形0番代とともに特急「しなの」用として登場した特急形気動車の付随食堂車で、1968〜1972(昭和43〜47)年に新潟鉄工所、富士重工業、日本車輌で13両製造された。車体構造は同時期に登場した581系交直流電車サシ581形に準じたものになっており、連結するキハ180形などの出力(500PS)に余裕があるため、先に登場したキシ80形とは異なり付随車となっている。車内配置は前位から順に車販準備室・休憩室、食堂(定員40名)、調理室、従業員用便所となっており、側窓は二重固定窓でサシ581形と同様にベネシアンブラインドが採用されているためカーテンが廃止されている。付随車のため水タンクは床下に取り付けられており、調理用の電源はキハ181形から供給されるようになっている。冷房装置はAU13Sが6台搭載されており、台車は1次車(キサシ180-1, 2)はTR205Cを使用し(後にTR205Eに変更)、2次車(キサシ180-3〜13)はTR219Aを使用している(後にTR219Eに変更)。当初、名古屋、尾久、米子に配置され特急「しなの」「つばさ」「やくも」などで使用されたが、特急「やくも」で使用されたのを最後に1982(昭和57)年のダイヤ改正で運用を離脱し、1985(昭和60)年までに廃車となり形式消滅した。

キサシ180-9
キサシ180-9(米ヨナ

 写真:藤田吾郎氏より提供

 <車両履歴>
  キサシ180-9 (1971年/新製)
    ↓
   −−−  (1985年/廃車)


《参考文献》
 ・鉄道ピクトリアル: 「新車年鑑 1986年版」1986-5 増刊(No.464) 鉄道図書刊行会
「新車年鑑 1988年版」1988-5 増刊(No.496)
「特集 キハ181系」1993-12(No.584)
 ・鉄道ファン: 「特集:特急気動車」1978-7(No.207) 交友社
「特集:特急気動車 PART.2」1978-8(No.208)
「特集:キハ80系・キハ181系」1991-12(No.368)
 ・「'68 '69 国鉄新車ガイドブック」1969 誠文堂新光社
 ・「国鉄気動車ガイドブック」1972 誠文堂新光社
 ・「国鉄車両形式集2 気動車」1987 山と渓谷社
 ・「キハ58と仲間たち」1995 ネコ・パブリッシング
 ・「国鉄特急編成史 電車・気動車編」2000 弘済出版社
 ・「JR気動車客車編成表」各年版 ジェー・アール・アール
 ・「JR全車輌ハンドブック」各年版 ネコ・パブリッシング

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